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ワンちゃんの体に優しい手術で、安心と安全を | 獣医師インタビュー
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ワンちゃんの体に優しい手術で、安心と安全を

手術を受けるワンちゃんにとって安全で、飼い主さんにとって安心な「体に優しい」手術があります。 いったいどのような手術なのでしょうか。 日本動物医療センターの上野弘道先生に教えてもらいました。

体への負担が少ない手術って、どんな手術?

日本動物医療センターでは腹腔鏡などを用いた体への負担が少ない手術をしています。

「腹腔鏡や膀胱鏡などを用いるメリットは、犬への負担が少ないことはもちろん、安全な施術をすることにもつながっています」

一般的に「手術」と聞いて思い浮かべるのは、テレビドラマでよく見るメスを受け取ってお腹を開くシーンではないでしょうか。
腹腔鏡などの内視鏡を用いた手術では、内視鏡下での手術が適応でありさえすればあんな風に大きく体を開くことはありません。
内視鏡が入るくらいの小さな穴をいくつか開けるだけで済みます。
しかも、肉眼ではなく、内視鏡の先端についたカメラで患部を撮影し、それをモニターに大きく映し出して手術を行うことができます。

「内視鏡を使った手術では、お腹を切って肉眼で見るのに比べて患部が拡大されて見えます。
だから、小さな出血を発見しやすいんです。
また、当院ではでの内視鏡下の手術では超音波の振動を利用して止血しながら患部を切る“超音波メス”を使っているので、安定して正確に切ったところを糸で縫い合わせるのに比べて、より確実に出血を止めることができます。
さらに、超音波メスは、手で縫い合わせるのに比べて、手術を行う人の技量の差が出にくい。
つまり、だれが手術をしても高いレベルで止血ができるというメリットがあります」

お腹を大きく開けないことの利点はほかにもあります。
手術後の「低体温」や、内臓の膜などがくっついてしまう「癒着」といった手術後の合併症のリスクも低くなるのです。

腹腔鏡や膀胱鏡

診断にも「体に優しい」の心が反映

もし、獣医師から、

「正確な診断をつけるために、麻酔を使った検査が必要です」

と言われたらどうしますか。
「病気かどうかもわからないのに、それを調べるためだけに麻酔だなんて・・・」と、愛犬に検査を受けさせるのをためらってしまいませんか。

そこで上野先生が昨年日本動物医療センターに導入したのは、高スピードで撮影することができる高性能CT。
これにより麻酔が必要であったCT検査を、一部無麻酔で撮影することができるようになりました。
無麻酔でも鮮明な画像を取ることができるCT。

その背景には、上野先生のこんな想いがありました。
「“麻酔”というハードルがあって、検査を受けることを躊躇したがために、診断がつかず、早期発見・早期治療の機会を失って、病気が進んでしまうことが少なからずありました。
もし、これを“無麻酔”にすることで心理的なハードルを下げ、検査ができるようになったら、オーナー様の安心と、ワンちゃんの健康に役立つと考えたのです」

無麻酔でも鮮明な画像を取ることができるCT

飼い主さんと犬の幸せな未来を実現するために寄り添った術後コントロール

日本動物医療センターには、24時間獣医師と看護師が勤務しています。
なかでもスタッフが一丸となって力を入れているのが、「術後の栄養管理」と「筋肉や神経に関する管理」です。

術後の栄養管理

近年、手術前後の栄養管理が変わってきています。
これまで、手術前には絶食を獣医師から指示されることが多かったかと思いますが、最近では、絶食によって胃酸が多く分泌され、それが食道の方に流れてくることが問題になっています。
そこで、同院では、手術前用の食事として液体状のフードを採用。
手術をするぎりぎりまで食事を摂れるように配慮しています。

餌を食べる犬

術後の筋肉や神経に関する管理

術後に寝たきりになってしまう犬がいます。
同院ではこれを防ぐために、手術後の犬を介助して、立たせた姿勢でフードを食べさせるようにしています。

手術後だからと言って、横になったまま安静にさせておくよりも、1日に何度も定期的に体を起こすリハビリを導入することで、回復が早くなることが分かっているためです。
この術後管理は、ごはんの時間のみだけではなく、24時間を通して数時間ごとに行われています。

手術が終わったときには、体の中から活き活きと元気になるように。
退院するときには、ワンちゃんが元気に飼い主さんのもとに寄り添っていけるような身体レベルにまで回復させることができるように、という同院の想いが丁寧な術後管理に込められています。

ワンちゃんがお家に戻ってからは、飼い主さんへ術後管理がバトンタッチ。
手術後のワンちゃんの過ごし方を見守ることは、飼い主さんにとって、とても大切な役割です。
どんな風にお世話をしたら良いのかは、手術の内容や、そのワンちゃんの普段の過ごし方によって異なりますから、かかりつけの獣医師によく確認しましょう。

ヨークシャテリア

上野弘道先生

上野弘道先生
プロフィール

上野弘道先生
日本動物医療センター
住所:〒151-0071 東京都渋谷区本町6-22-3
TEL:03-3378-3366
HP:http://jamc.co.jp/

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